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■ α99
2012年10月発売。24Mピクセル(2400万画素)センサー搭載。α55から続く可動ミラーを
持たないトランスルーセントミラーの35mmフルサイズ機で、α900から4年の歳月を経て
登場。α900の国内向け販売が2011年10月に終了していたので、1年ぶりのAマウント
フルサイズ機となる。
特徴
基本的にはα77を踏襲。受像センサ上にも測距センサを配したデュアルAFシステムと、
ほぼ無音で操作できるサイレントマルチコントローラーを搭載。深度方向の設定ができる
AFレンジコントロールや、位相差19点+像面位相差102点でより高精度なAF-Cが可能な
AF-Dモードや追尾フォーカスの搭載もあり、Aマウント機としては被写体の追尾性が向上(*1)
している。
ファインダーはα77と同じく有機ELを採用。α55などのLCDファインダーから比べると
視認性が大きく向上している。一眼レフ機と比べると原理上どうしても遅延が発生するが、
暗いレンズでも全く影響せず露出通りの明るさで像を確認でき(ズームやSTFでも明るい)、
APS-C専用レンズでもAPS-Cデジカメの画角で表示するのは従来の光学ファインダーを
持つ一眼レフ機では実現できない。α77とは形状が違うが3軸チルト液晶ディスプレイも
搭載している。
フラッシュ端子が従来のオートロック式からmi(マルチインターフェース)シューに形状が
変わったため、従来のフラッシュ等は接続できないので注意(変換アダプタは付属)。
ただしソニーはEマウント機も含めてmiシューに統一する模様。
メモリーカードはデュアルスロット仕様でSD(SDXC対応)とメモリースティックDUO(以下MS)を
採用。1スロット目はSDとMS、2スロット目はSDのみ。
バッテリーは従来一眼レフ機と同様、NP-FM500Hを採用。縦位置グリップを本体側
バッテリを装着したまま取り付け可能な構造とすることで、バッテリ3個での運用が
可能になっている。
欠点
α77デビュー時に問題になった鈍足起動(同機のファームウェア更新で改善はされた)を
解消するためかフロントエンド用LSIを搭載したが、そのせいかバッテリの持ちが悪化。
もともとバッテリの持ちが良くない超音波モーター(SSM)搭載レンズと併用するなら
予備バッテリの携行か縦位置グリップとの併用が不可欠と思われる。
また、放送用ハイエンド業務機から応用したという多点分離光学式ローパスフィルターも、
ローパスレスが好まれる今の時勢にあってはあまりプラスにならない要素かもしれない。
とは言っても従来のイマイチ眠たい画質のAマウント機から比べれば劇的に向上したのだが。
フルサイズ3600万画素のニコンD800シリーズやEマウントのα7Rの登場でそれほど
高画素とも言えず、受像センサ側も含めて中央に寄り過ぎな感のある測距センサ、
すぐ一杯になるバッファ(JPEG・NR標準時11~12枚、テレコン連写20~24枚)や可動
ミラーが無いにも関わらずフルサイズだと6コマ/秒のコマ速(テレコン連写だと10コマ
/秒)など課題は色々と残る。