body/sony/ILCA-99M2
■ α99II
2021年8月 生産終了。最後のAマウント機となった(*1)。
特徴
α77IIと同等の79点位相差AFセンサーに加え、α7RIIと同等の399点像面位相差
AFセンサーを搭載。双方のセンサーを用いたハイブリッド位相差検出AFシステムで
高精度なクロス測距を行うとともに、中央のAFポイントはEV-4対応(*2)。像面位相差
AF測距点を含め、ほぼ画面全体でのAFが可能となった(*3)。Aマウント機で初めて
ボディ内5軸手ぶれ補正を搭載した。
α99に搭載していたAF-Dは無くなり、AF-C(コンティニュアスAF)との区別が
無くなった。また同機のサイレントマルチコントローラーはクリックの有無が
選択でき、様々な設定が可能なフロントマルチコントローラーへ変更された。
AFレンジコントロールやロックオンAFなど基本部分の機能面は概ねα77IIを
踏襲。また、35mmフルサイズ機では初めて4D FOCUSに対応した。
コマ速は最大12コマ/秒とα77、α77IIと同等・従来機からの倍速となり、約5秒間
連写が可能(*4)なバッファメモリを搭載。12コマ/秒モード(*5)での絞り制限も、先述の
ハイブリッドAF対応時はF9まで、非対応時はF4までAF可能(*6)と動作仕様が変更
された。またアンチフリッカー機能の搭載で蛍光灯下などでの撮影が容易となり、
ボディデザイン・容積がα77IIと同等(*8)となり、縦位置グリップもα77・α77IIと同一の
ものが使用可能。ただし内蔵フラッシュは非搭載でAF補助光も搭載されない。
トップカバー、リヤカバー、および内部フレームにマグネシウム合金を採用。
記録メディアはSDカード(SDXC/UHS-1)/MS。デュアルスロット仕様となっている。
欠点
先述のように高画素化と高精度で広範囲な位相差AF環境、高速連写を実現した
弊害か、バッテリ消費は先代機よりも悪化してしまった。また、縦位置グリップを
α77/α77IIと共通化したため、先代機では可能だったバッテリ3個運用(*9)も不可
となってしまっている。
ファインダー部のアイセンサーに強い光(*10)があたると、ファインダー使用と誤認識
されるためか背面LCDの表示が消えてしまう。
また先述のハイブリッドAFが動作するのは基本的にソニー純正レンズとなるが、
ハイブリッドAF非対応レンズとのAFエリア差や速度差、測距精度差が顕著であり、
ミノルタ/コニミノ時代の設計が古いレンズや、社外品レンズを使用すること
自体がAFを大きく制限する格好になってしまっている。
外部リンク
作例
*2: ミノルタ時代のレンズや他社レンズでは像面位相差AFセンサーは動作せず、位相差AFセンサーは一回り小さい61点測距となる。また、500mm Reflexはレンズ側の制約で中央1点のみとなる
*3: ハイブリッドAF対応レンズ使用時
*4: 60枚(JPEGのみ)~54枚(RAW+JPEG)、非圧縮RAW時は25枚。(従来機はフルサイズ時は6コマ/秒・JPEG11~12枚、テレコン連写で最高10コマ/秒・20~24枚だった)
*5: P/S/A/Mモードともに「ドライブ:連写Hi+」時。従来機にあった"連続撮影優先AE"モード的なものは無くなった。なおドライブ:連写Hi以降はHi:8コマ/秒、Mid:6コマ/秒 、Lo:4コマ/秒
*6: それ以上の絞りの場合はAFが固定される
*7: PlayMemories Mobileにて対応
*8: 重量はα77IIや先代機よりも重い
*9: α99では本体側1個+縦位置グリップ側2個での運用が可能で、本体バッテリ稼働中でのグリップ側バッテリ交換も可能だった
*10: 太陽光など、主に外部使用で発生し易い