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用語集/トランスルーセントミラー のバックアップ

2010-11-06 (土) 13:47:07 のバックアップ(No.8)

*トランスルーセントミラー

α55/33から採用された半固定式透過光ミラーのことで、正式には「トランスルーセントミラー・テクノロジー(Translucent Mirror Technology)」と呼ばれる((国内発表されている[[Aマウント>用語集/Aマウント]]機はα550以降は基本的にトランスルーセントミラー機で、それ以降の光学ファインダー機は存在しない。海外でもα580以降の光学ファインダー機は登場していない。))。以下、TLMと省略。なおミラーと呼称されているが、ガラスではなく特殊な加工を施されたフィルムである。


従来型のAF一眼レフで使われているAF構造((レフボックス内のクイックリターン式ハーフミラーでペンタプリズム(ペンタミラー)と光学ファインダー/位相差AFセンサーに光を送る構造。通常の一眼レフ機の場合、撮影時はミラーアップしてるため、光学ファインダー/位相差AFセンサーのどちらにも光は送られない。デジタル一眼レフが受像センサーでのライブビュー時(ミラーアップ状態)に像面位相差AFなどの仕組みがないとコントラストAFのみになるのはこのため。従来のソニーAマウント機では位相差AFを動作させながらライブビューを実現するため、[[クイックAFライブビュー>用語集/クイックAFライブビュー]]を採用していた。))とは異なり、TLMでは可動ミラーを持たない固定式の透過光ミラーで位相差AFセンサーと受像センサーの両方に常時光を送るように構造が変更された((原理的にはキヤノンのEOS RT/EOS-1N RSで採用されたペリクルミラーに似ているが、それらが光学ファインダーを採用しているのとは異なり、TLM機は電子ビューファインダー(EVF)/背面LCDに撮像素子からの画像を表示する常時ライブビュー機となっている。))。これにより従来型AF一眼レフには必須の構造物((可動ミラーや光学ファインダー、ペンタプリズム(ペンタミラー)など))は不要となった。
位相差AFセンサーによる測距を受像センサーへ向かう光とは別に行える構造となったことで、「動体予測AF」ではない「常時動体追従AF」が可能となった。また、可動ミラー構造の省略とミラー作動による振動も発生しなくなったことで、エントリークラスでも(いわゆる)プロ機並みの高速AF撮影/連写が可能となった。

上記のようにデジカメ・ミラーレス機の感覚でAマウント機を使用できるようになったが、従来の光学ファインダーからEVFに仕様変更されたことから原理上多少の遅延は発生し、当初はEVFが液晶ファインダーしか無く視認性や動体への追従性も低かったことから、一眼レフの光学ファインダーに慣れた方面には受け入れらなかった。また、当初は静止画撮影時にブラックアウトしてしまったこと、TLMで位相差AFセンサーに光を回すため他機種に比べ高感度が弱い欠点もあった。

しかし、レンズの明るさに左右されずに露出結果やホワイトバランスを予めEVF/背面LCDで確認できることや拡大表示ができること、光学ファインダーではほぼ真っ暗な状況でも一応は像を確認できること、画面中へのグリッドや水準器などの表示が容易なこと、動画撮影中でも位相差AFが可能なことが利点としてあげられ、EVFへの有機ELの採用や表示遅延・ブラックアウト時間の短縮、動体追従性の向上やボディ内手振れ補正反映、像面位相差センサーとの併用など、代を重ねるごとに改善・改良されている。

当初はAマウント機のみに採用されていたが、[[Eマウント>用語集/Eマウント]]用のマウントアダプターにも採用(未採用の普通のマウントアダプターもあり)。センサー類によりマウントアダプターにしては嵩張るが、位相差AFセンサーやレンズ駆動モーターを内蔵してるため、位相差AFによる高速AFをボディモーター駆動のAマウントレンズでもEマウント機で可能にしている((α99IIのような、お互いを併用しての[[ハイブリッド位相差検出AFシステム>用語集/ハイブリッド位相差検出AFシステム]]には対応していない))。

**関連リンク
-[[@IT MONOist ソニー・トランスルーセントミラーの秘密に迫る――「α55」開発者インタビュー>http://monoist.atmarkit.co.jp/feledev/articles/next_dc/01/next_dc01a.html]]
-[[ソニーFAQ Eマウント用マウントアダプターの相違点>http://qa.support.sony.jp/solution/S1401310059358/?p=ILCE-7&q=&rt=qasearch&srcpg=dslr]]